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今月のコラムです2010年8月のコラム

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「導入したCTはどーなん??その2」です。

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こんにちは、岸川です。

今月のコラムさらっと涼しくいきたいと思います。お題は“導入したCTはどーなん??その2”です。

頻度的に最もよくある症例を提示します。

○谷○子 6○歳 女性

「上の両奥の歯の無い部分にインプラントしたい」「インプラントの知識は全くない」
「岸川歯科でインプラントした人の話を間接的に聞いた」「インプラントして歌を歌えるように、噛めるようにして欲しい」「時間かかってもよいからきちっと治療して欲しい」等々の訴えで来院されました。
写真1は初診時のパノラマレントゲンです。
右上3本、左上2本が欠損しているのが確認出来ます。嘔吐反射があって上顎の入れ歯は使っていないそうですが、右下にはこのレントゲンには写っておりませんが取り外し式!?のブリッジをされております。

1回目:7月14日初診、写真1のパノラマレントゲンとCT撮影、全体クリーニング。
2回目:7月21日CTを解析したものを元に説明。
3回目:7月28日上顎インプラント5本埋入。

CT導入前は、写真1のパノラマレントゲンの情報しかありませんでした。
なので術前に分かることはこのケースの場合、左右奥2本ずつは上顎洞まで7~8mmでソケットリフトが必要、骨密度は平均的かやや疎、骨幅は口腔内を直接見て何となくあるかな、といった程度です。
そして術中には、麻酔時に針刺しして骨幅が十分と判断出来れば切開無し、骨幅が十分と判断出来なければ切開し実際に骨面を見てインプラントや造骨をしていました、予め色々なパターンを想定し準備してオペに臨みましたが、出たとこ勝負といった感は否めませんでした。
知識と経験、経験を積んだ上での勘が頼りでした。

CT導入後は、

右上一番奥は写真2A2B(赤い部分がインプラント埋入予定部)より上顎洞まで5mm、骨密度標準、骨幅充分なので、ピエゾ(超音波切削)でソケットリフトした上で少し太いインプラント(4610)で対応するのが最善。
右上奥から2番目は写真3ABより上顎洞まで10mm、骨密度かなり疎、骨幅充分なので、皮質骨(表面の硬い骨)を最大限利用したドリリングで太めのインプラント(4610)で対応するのが最善。
右上奥から3番目は写真4ABより上顎洞まで15mm、骨密度は標準だが抜歯穴が残存しており、骨幅は頬側が不十分なので、少し太めのインプラント(4610)を少し傾斜させて埋入するのが最善。
左上の2本は写真5ABより上顎洞まで7mm、骨密度はやや疎、骨幅充分なので、2本ともピエゾでソケットリフトした上で口腔側と上顎洞側の皮質骨を最大限利用したドリリングで少し太めのインプラント(4610)で対応するのが最善。


といったように、予め詳細にシュミレーションが出来、シュミレーションどおりに本番を迎えることが出来ます。また、術後の完成具合を詳細に確認して頂くことも出来ます。
患者さんにとって不必要な切開や、不適切なインプラント(長さ・太さ・方向)を埋入されることが回避されます。
CTを導入することにより、非切開で低侵襲・スピーディーなインプラント治療を提供出来る可能性が飛躍的に高まりました。

写真6が術直後レントゲンです。患者さんが診療室に入ってから、表面麻酔・浸潤麻酔、ピエゾでソケットリフト4箇所、上顎洞底膜を破ってないことを確認、インプラント5本埋入、術後レントゲン撮影、術後注意説明までしっかりして診療室を出るまでに要した時間は50分程でした。
患者さんは、もう終わったのですかってホッとしたような不思議そうな表情で帰って行かれました。次の日、消毒に来られましたが痛みも腫れも無いということで、よかったです。

今月も安心・安全・良質・スピーディーな治療を望まれる方たくさんお待ちしております。
では、また来月。

 

岸川歯科 院長 岸川 裕

 


 

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